もう2022年もあとわずかになりました。
地元の人に聞くと、佐賀では12月に再々積もるほど雪が降ることはそうそうないということです。生まれて初めて雪を見た!という留学生のみなさんもいるようですね。
僕も「生まれて初めて」がありました。12月10日から4日間、タイという国を初めて訪問してきました。首都バンコクの近郊、パトゥムターニー県にあるランシット大学(略称:RSU)の卒業式に参列し、連携協定に調印をしてきたのです。
卒業式はこれまで見たことがないくらい、大きくて華やかな祭典でした。まずはマーチングバンドに導かれて、教職員、大学関係者、卒業生が広いキャンパスをパレードするわけです。沿道からは後輩や家族が祝福をします。そして大講堂に入場、卒業証書の授与を行うのですが、驚いたことに4000名を超える卒業生の名前を読み上げて一人ひとりに大学代表が証書を手渡ししていきます。その間、仏教国らしくお坊さん方が行う読経がBGM(軽い表現ですみません)のように大講堂に響き渡ります。卒業式は午前と午後、3時間ずつ2回に分けて行われます。当然パレードも2回です。式が終わるとキャンパスは、にぎやかになります。卒業生、学生、教職員、家族、そして街の人までも、笑顔、笑顔です。いいな〜。
サジョタンの卒業式、入学式も、もっと素敵な式にしたいなと思いましたよ。


包括協定というのは、大学が互いに協力して、学生の交換留学や研究交流などをやっていこうという約束を交わすことなのだけれど、今回の協定は普通と違っています。佐賀の認定NPO法人「地球市民の会」(Terra People Association 略称:TPA)も加わった3者協定になっているのです。この会は、タイでは17年間3000人を超える奨学生を支援するなど多様な活動をしています。そのTPAの山路建造さん(APUの卒業生なんです)が、今年の夏にランシット大学の学長補佐・チャオさんをサジョタンに連れてきてくれたことがきっかけとなっています。
チャオさんも大学人であるとともに、複数の会社を経営するなど、いろんな顔を持つ人ですが、福岡県の柳川高校の附属校としてのタイ柳川中学を運営する中心人物でもあるのです。そのチャオさんは、タイから日本への留学生としてはパイオニア、石川県で新聞配達をしながら、大学を卒業したという人なのです。そのチャオさんが、長年にわたるTPAの活動に深い信頼を寄せていたからこそ、サジョタンがつながりを持つことができたのです。この2大学を結んでくれたTPAは、これからサジョタンで学ぶタイの学生のホームステイなどのサポートをしてくれることになっています。ありがたい。
そもそもRSUの学生規模25000人、やや大袈裟に言えばサジョタンの100倍!みたいな感じです。規模では、釣り合わないことこの上ないのです。それでもちゃんと大学全体が対等なパートナーとして付き合ってくれる。本当にうれしいことです。
協定調印の後さっそく、行動計画をつくる協議が開かれました。来年度、サジョタンはRSUでの短期英語キャンプとタイ文化体験をやり、RSUは、サジョタンに日本語学科の学生を派遣し、佐賀文化体験をやるということになりました。サジョタン学生諸君、タイに行けるぞ〜〜!
その日、RSUの日本語学科3年生30人にミニ講義をしました。僕がサジョタンの紹介と日本文化について話をし、山路くんが佐賀の紹介をしました。サジョタンへ、佐賀へ行きたいか〜と問いかけると、19名が手を上げてくれました。面白くなってきました。
タイでは、象という動物は身近で特別な存在のようです。勇敢で賢くて頼りになる国民の守り手のようなものでしょうか。RSUにいて、あ〜この大学は象のようだなと思いました。
佐賀女子短期大学はとてもとても象にも、虎にもなれそうにないけれど、RSUから見れば、例えば多彩な知性の光を放つ、つぶらな真珠のような存在になりたいと思いました。サジョタンと組んでよかったと思ってほしいですね。
タイの学生にも雪を楽しんでほしいな。


