
10月6日木曜日、本学の客員教授 谷口真由美さんが初めて来校し、90名ほどの学生を前に特別講義を行いました。寄せられた質問に次々とテンポ良くキリッと、ユーモアもたっぷりに答えていく、「D J真由美」方式!というものでした。あとから、学生のみなさんのいろいろな感想が伝わってきました。「今最もやっておくべきことはたくさん失敗すること」、「過去と他人は変えられないけど未来は変えられる」、「自分自身の取り扱い説明書を作っておく」など心に響く言葉、グサッと刺さる言葉、励まされる言葉が、たくさんあったようです。恋愛の話も面白かったですね。
谷口さんに客員教授になってもらってホンマによかった〜。
講義の最後、僕と谷口さんの対話で、彼女の最近の本、『おっさんの掟「大阪のおばちゃん」が見た日本ラグビー協会「失敗の本質」』を紹介しました。家庭環境からして、ラグビーを養分に育ったようなラグビー愛溢れる彼女が、日本ラグビー協会の理事に期待を持って迎えられ、生き生きと改革に取り組んでいるうちはよかったけれど、やがて「おっさん」たちに疎まれ、邪魔者扱いされ、理事を解任されてしまうという何ともつらい経験を本にしたものです。でもそこは我らがサジョタン谷口真由美客員教授、逆境にあっても、どこまでも前向きです。強大な相手を前に、言うべきことは言わしてもらいますと自然体です。そして、自分をひどい目に合わせラグビー協会という組織の体質は、戦前の日本から今日までのダメな日本社会の縮図ではないかと考えるわけです。上司には絶対服従、口癖は「みんながそう言っている」、「昔からそうだ」、「それが常識だ」、「リスクが大きい」、「誰が責任を取るのか」、「なんかあったらどうするんだ」と思考停止表現そのもの。停滞した日本経済、凋落を続ける日本企業で、「後ろ向きの空気」をたっぷり吸ってきた「おっさん」がひたすら自己保身に励む、そんな組織システムが今の日本社会を支配しているのだと。また、この「おっさん病」とも言える症状は、老若男女誰にでも伝染するのだという警告も、さすが真由美ネェさんです。
日本のおっさんの端くれの僕にもズブズブ刺さりましたが、彼女の言葉は、暗い恨み節や説教に聞こえず、なんとも言えない爽快感をおぼえるから不思議です。その感じ、講義を聞いた学生はわかりますよね。
でも、日本には「アカンおっさん」だけではない、「イケてるおっさん」もいるのだ。その代表選手として紹介したいのが、出口治明さん。今は大分県別府市の立命館アジア太平洋大学(A P U)の学長で、かつて僕も一緒に仕事をしていました。最近の本、『「捨てる」思考法 結果を出す81の教え』には、出口さんという「おっさん」のカッコいい人生哲学が満載です。この本をしっかり読めば、スッキリ!「アカンおっさん」世界から脱出できます。もちろん谷口さんのお話しのように、学生のみなさんにも最高の栄養になることを保証します。
谷口さんと出口さん、このお二人の本を読むと、「おっさん村」には未来がないことは明らかです。男性中心、上位下達、画一的な組織から、多文化・ジェンダーフリー、フラットで個性を活かす社会になっていかないといけない。女子のみなさんが、半歩前に一歩前に出るだけで、変化が起きるのだと思います。
今回はこの2冊の本を本学の図書館に寄贈します。
そういえば、谷口さんを僕に引き合わせてくれたのは出口さんでした。
偶然の出会いが掛け合わされ、奇跡のような縁のおかげで、10月6日の講義がありました。

