学長なんでもノート

食と命のバトン

 大好きな曲は?と聞かれれば、それは、それはもう、たくさんあります。今この瞬間なら、菅田将暉の『雨が上がる頃に』だったりする。

 でも、あなたの人生の中で大切な曲は?と言われれば、迷わずに、僕は、ソウル・フラワー・ユニオンの『満月の夕(ゆうべ)』をあげます。多分ほとんどの人は知らないと思います。

 関西のバンドです。関西生まれのあいみょんも、子供の頃から聞いていたと、インスタグラムで歌っていました。僕は、この曲を歌いたくて、沖縄の三線を始めたぐらいです。

 『満月の夕』は、1995年の阪神・淡路大震災から生まれました。震災の起こった日は満月、そして次の満月が来たらまた地震が来るのでは・・焼け野原になった長田区、冬の公園で焚き火を囲みながら被災者たちがそんな話をしていた、という話からこの曲は生まれました。

 「風が吹く 港の方から 焼けあとを包むようにおどす風

  悲しくて すべてを笑う 乾く冬の夕

  ・・・・

  ヤサホーヤ 歌が聞こえる 眠らずに朝まで踊る

  ヤサホーヤ 焚き火を囲む 吐く息の白さが踊る

  解き放て いのちで 笑え 満月の夕」 (作詞・作曲 中川敬 山口洋)*歌詞の一部抜粋

 その後も歌い継がれ、特に、2011年東日本大震災、2016年熊本・大分地震のときにも、被災地に寄り添うように歌われました。僕は、大阪、京都、奈良、東京、福岡、そして、東北・石巻に、熊本のライブに、いつ聴いても、こみあげるものがあるこの曲に会いに行ってました。

 大震災を通じて、考えたこと、体験したこと、学んだことには、はかり知れないものがあります。1995年、2011年、 2016年は、僕の人生年表にはっきり刻まれています。そして、その時代を貫いて鳴り響いていたのが、『満月の夕』なのです。

 6月14日、一般社団法人 佐賀県食でつながるネットワーク協議会(愛称:食つな)と佐賀女子短期大学が、協定を結んで、色々たくさん交流をしていきましょうということになったのです。食つなは、すでにサジョタンの3号館の住人になっています。フードロス対策をしながら食を循環させ、子供の貧困やひとり親、災害被災者の支援などをおこなう団体です。これからは、3号館がその拠点になっていきますが、なんといっても食材や支援物資を保管するセントラル倉庫の存在が大きいのです。

 もうすでに各地から寄付された食品がたくさん積み上げられていました。また、被災地に送る支援物資も、なるほどこういうものが必要なのかと感心しましたが、日本だけでなく海外に送ることも想定されているようです。すごいな。

 そんな場所がサジョタンにできたので、学生のみなさんも機会を見つけて、ぜひ見に行ってください。何か手伝ってみようという人、大歓迎されますよ。

 3号館は、長年、「食とマネジメントコース」の教育の場でした。そこが、まるでバトンを渡すように、食でつながるネットワークの拠点となり、子供たちや被災者の食と命をつないでいく。

 なんだかうれしい。最高です。

 サイコー、サイコー、サイコー、サイコーだよ。

 歌う客員教授、松田美緒さんの授業(6月12日)、素晴らしかった〜と聞きました。

『満月の夕』も歌ってほしいな。

 来週22日は、人権のために闘う客員教授、谷口真由美さんが、サジョタンで授業をしてくれます。

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