
時は流れる。でも、過去に向かっては決して流れない。過去を変えることはできないからだ。時は流れる。いつも、未来に向かって流れる。誰にも、時を止めることはできない。私たちは、時間の流れのなかで生きている。
もう12月ですね。
2年生のみなさんは「大学生活、あと数ヶ月。早かったな〜。」というのが実感ではないかな。1年生のみなさんにとっても、大学生活が残り半分になろうとしている。これまた「あっという間だった。」が実感ではないかな。
こんな気持ちになることが分かっていたら、もっとこうしたのに、ああしたのに、と思う気持ちは誰にもあることです。しかし、時間を巻き戻すことは1分だってできない。できることがあるとすれば過去に戻って、何をやり直したいか、何を新たにしたいか、その思いを未来への時の流れに込めて、ひとつでも、ふたつでもやってみることです。たとえ数ヶ月でも、できることを考えてみませんか?時は流れる。時の流れを止めることはできないけれど、自分の意思と行動で未来をつくることはできる。
昨日食べられなかったラーメンは、明日食べることができる。なんか、ちがうか〜。
過去も未来も変えることができないと分かっていても、人間はその無意味ともいえる欲望を抑えることができないようで、その証拠が、タイムトリップ、タイムトラベルをテーマにした映画とかドラマです。国境を問わず膨大な作品が作られています。実は僕もこの類が大好物なんですよ。ハリウッド映画『Back to the Future』は学生のみなさんにとっては相当に過去のものかも知れません。さらに古くて申し訳ないのですが、韓国映画では『イル・マーレ』とか『リメンバー・ミー』などが忘れがたいものです(DVD持っているので観たい方にはお貸しします)。日本のドラマでは『JIN―仁』ですね。これは2009年制作です。




今日、学生と話していて「どんな映画がお好きですか?」と聞かれたのですが「好きな映画」と言われると長いこと生きていて、たくさんの映画を観てきたので困ってしまうのですが、今年一番面白かった映画となると『侍タイムスリッパー』とためらいなく答えられます!!
時は幕末、侍が決闘していると雷が落ちて現代の時代劇の撮影所にタイムスリップしてしまい、その侍は現代で時代劇の「斬られ役」になるというお話です。実はこの映画、小規模・低予算で作られた映画、ほとんどが無名の俳優!監督は資金不足から、制作において11役もこなすという異例のインディーズものなんです。8月に東京の小さな映画館で上映されてから、今や日本の約300館にまで広がり、海外でも賞賛されています。笑って、ほろっとしながらも、本物の武士が現代にいるような迫力と緊張感溢れる決闘撮影シーン…。僕も見ましたが、終映後なんと会場から拍手が起こりました。本当に面白い映画でした。映画館で起きた拍手は、こんな素晴らしい映画をよくぞつくってくれました!さぞかし大変だったでしょう。ありがとうという気持ちが込められているのですね。佐賀では今なおロングラン上映されています。
安田淳一監督は副業をしながら、永年映画制作をあきらめず苦労に苦労を重ねて『侍タイムスリッパー』をつくった。彼は「小さな奇跡が重なって」と話していました。「奇跡は奇跡的に起こらない」これは韓国の金大中という政治家の言葉ですが、奇跡はあきらめずに今の時間を連続的に頑張っている人に宿ってくれるのだなと思います。
まさに、過去から未来をつくった人ですね。