今は12月2日の夕方、学長室の窓から、薄水色の空、日が傾いた高校の体育館の向こうにかすかなオレンジの光が見えます。学長ノート、ずいぶん久しぶりになります。
そうだあ〜、かささぎ祭で、学長あいさつの代わりにHump Backの『拝啓 少年よ!』を歌ってから3週間になるのか。あれから、学生のみなさんが「私もHump Back好きです〜」とかいろいろ声をかけてくれたりして嬉しかったです。実は、僕は40代後半から33年ぶりに再会した中学生の同級生たちとオリジナル曲を演奏するバンドを結成して、いまだに活動を続けているのだけれど、こないだみたいに一人で野外のステージに立つことは初めてなので、ずいぶん緊張しましたよ。今にして思えば「拝啓 少年よ!」でなければ歌わなかった。この曲にはなんだか心を揺さぶられるものがあって、よしやってみよう!という気持ちになれたのかも知れません。
この間、ある県立高校で講演したのだけれど、その時に「若いときに何をしておけばいいですか?」、「海外に行くとしたら、どんな国に行けばいいですか?」という質問がありました。僕は『日本でも海外でもいいから、とにかく旅をすること』とお話ししました。日本も海外も、できれば2カ所、2カ国以上。日本列島は細長いな〜と実感できるように沖縄と北海道とかね、なるべく歴史、文化、風土が異なるところがいいと思うのです。
僕といえば、趣味は韓国と答える時があるほど、韓国には300回以上行っています。そのほか、アジアだと、台湾、中国、香港、ベトナム、インドネシア、インド、シンガポール、フィリピン。マレーシアですね。中東はアラブ首長国連邦、アフリカはケニア。ヨーロッパはフランス、イギリス、アイルランド。アメリカは、U S A、メキシコ、ニカラグア、キューバ。色々な機会に恵まれて行きました。もう一度行くとしたら…。いや、今回は旅の思い出話ではなかった。海外についての本の紹介です。
オーストラリア!

僕、行ったことがありません(笑)この本を読んで俄然興味が湧いた国です。そして、しばらく住んでみたいと思ったのです。
昔、僕の同僚にオーストラリア人がいて、彼と飲みに行くと先々で「カンガルー見ました?」、「コアラいますか?」と必ず聞かれる。「日本に来て1万回ぐらい聞かれたかな〜」と苦笑していたのを思い出します。そんなイメージばかりが強かったオーストラリアが、今すごく発展しているというのです。
どこの国に生まれるかなんて、本当にそれは偶然でしかないわけです。生まれてしまえば、いつしか育った国の常識やしきたりや文化が当たり前になってしまうものです。政治や経済や教育のあり方も…です。
僕は、日本は世界に誇れる素晴らしい文化を持った平和な国だと思うけれど、反面、最近元気がない、停滞している、だから先行き大丈夫だろうか…という不安を持つ若者も多いと聞きます。それはもうどうしようもないことなのか。諦めるしかないのか。そんな時は、海外に目を向けるといいと思います。
いい国、住んでみたくなる国というのは、どんな国なのか。いまさら喧嘩にめっぽう強い軍事大国なんかには憧れませんよね。みんなあくせく働いて経済的には豊かになったけど、それで?という国にも。日本はそうかも知れない。
オーストラリア!
政治がしっかり機能している、経済発展は持続している。医療や賃金など労働環境が充実している、のびのびとした教育がおこなわれている。何より自由に楽しく生きることに価値を置いている。もちろん問題はたくさんあるだろうけど、本当にそんな国があるんだろうか。僕も本しか読んでいないので、実際に行ってみたいと思ったのです。
僕が今注目している国は、他にアイルランド、台湾などですが、どこも共通することがあるのです。なんといっても、女性、子ども、若者が活躍している。多様な国・地域から外国人を受け入れていることです。
おっさんがやたらと威張っている国は、やっぱりろくでもないと思います。