学長なんでもノート

サジョタン「超・進化論」

今回のノートは、佐賀女子短期大学の学生のみなさん、卒業生のみなさんに、お手紙を出すつもりで書いています。

2月15日に記者会見を開き、武雄市と連携して最短で2025年4月をめざして、白岩運動公園に新大学を開設することを発表しました。

佐賀女子短期大学は、短大併設の4年制2学部・男女共学、そして現在の佐賀市のキャンパスと武雄市のキャンパス、2つのキャンパスを有する総合大学に、英語で言えばCollegeからUniversityに大きく形を変えることになります。

驚いたでしょうね。

「ドーユーコト…?」と戸惑った人もいたかも知れません。まず新大学の誕生とともに、女子大ではなくなります。佐賀県内唯一の女子大がなくなるのは、さみしいなと思う方もいるかも知れません。わかります。僕も、昨年の学長ノート『魂を磨き「武装」せよ』で女子大ってアリです!と書いていましたからね。形が変わっても、女子教育で培ってきた伝統は大事にしていきたいと思います。

それから、4年制大学をつくるということは、短大よりいいから…みたいな考えではありません。佐賀女子短期大学の教職員はみんな、短期大学であるということに今でも誇りを持っています。教育・福祉をはじめ地域社会を支える人材を長い間、たくさん送り出してきたことに強い確信があります。ですから、これからも胸を張って、短期大学を続けていくことに変わりはありません。

むしろ、これまで短期大学でやってきたからこそ、新大学という構想があると考えた方がいいでしょうね。だって旭学園の歴史を振り返れば、改革の歴史です。126年前は女子の裁縫学校として産声をあげ、やがて女子高校に形を変え、56年前に女子短期大学ができた。

このように、伝統とは過去から受け継いだものをひたすら守るということではありません。伝統とは、革新を積み重ねてきた歴史の結果です。

今度4年制で構想している2つの学部も、サジョタンの強みである韓国を軸に、アジア全体にまで視野を広げたグローバル学部と、サジョタンの伝統と実績に立脚した教育のプロフェッショナル育成を掲げた学部なんです。まさに、短大という胎内から生まれた構想といって良いでしょう。

佐賀県は、日本でも大学進学率が低い(特に女子の)、そして4年制大学が少ないから県外流出も多い県のひとつです。また新しいキャンパスとなる武雄市はじめ佐賀県西部にはそもそも大学がない。実に大学で学ぶ機会、選択肢が狭すぎる県なのです。将来構想『Sajo Future 2030』、この状況において、何をすべきか、何ができるか、という問いかけであり… “武雄市に4年制新大学” はその答えでもあったのです。とにかく、もっと大学を!と僕は思ってきました。ですから、県立大学の構想も大賛成ですよ。

「大きく形が変わる」と冒頭に書きましたけど、う〜ん、それよりも、進化かな。この間NHKで観た『超・進化論』という番組がめちゃくちゃ面白かった。たとえば、芋虫みたいなのが、何度も、何度も、枝からボタっと落ちるたびに、落下に抵抗しながら落ちる。それを何千年も、もしかしたら何万年も続けていたら、羽が生えて飛べるようになったと言うんです。私たちにそんな時間の流れは無理だけど、新大学というチャレンジも今まで無かった羽を生やすような「超進化」なのかも知れないですね。

会見を終えて、武雄市民の何人かにご挨拶に行きました。我々が圧倒されるぐらいみなさんに歓迎、喜び、期待の気持ちを伝えていただきました。これから、もっともっと市民のみなさんと対話していきたいですね。

「素敵な大学をつくるぞ!」と改めて思いました。性別も国籍も年齢も関係なく、学びたい人は誰でも学べる、いかめしい門も塀もない、そんな大学を。

新大学の実現は…実はとっても厳しいことです。薮だらけのぬかるんだ夜道を、灯もなく進んでいくような時もあるかも知れない。でも頭上にある希望の星だけは見失わないようにしたい。

学長なんでもノート一覧を見る
  • 佐賀で介護福祉士になろう!
  • 全コース韓国留学
  • 認定絵本士養成講座
  • 保育士・幼稚園教諭取得特例講習
  • 若楠会
  • 一般財団法人大学・短期大学基準協会による令和2年度短期大学認証評価の結果、的確と認定されました。