仁川国際空港から3時間半で、テジョンに行けるのか?
9月5日から2泊3日で、本学の提携大学である韓国の中西部・大田(テジョン)にある培材(ペジェ)大学校を訪問しました。ペジェ大学校のスタッフが、せっかく来られるなら、4月に就任したキム・ウック総長に会ってほしい!とのこと。それは僕としても、もちろん、ぜひ!なのですが、問題はそのタイミングです。
僕の訪問期間中で、キム総長に会えるタイミングは、5日の15時半から16時の30分間だけ。つまり僕は、福岡国際空港から仁川国際空港に到着する12時から、3時間半でペジェ大学校に到着する必要があるのです。
ペジェ大学校のスタッフが考えに考えてくれて、次のような旅程が提案されてきました。
仁川国際空港第2ターミナル駅12時40分発→ソウル駅13時34分着 KTX(韓国高速鉄道)に乗り換え 13時48分発→14時48分テジョン駅着
これなら確かに3時30分にペジェ大学に着ける。早速、LINEで予約チケットが届きました。QRコードで使用可能とのこと。すごいもんだ。
1番の心配は、混雑が予想される仁川国際空港で、イミグレーションカウンターをスムーズに通過することができるのか…ということでした。しかし、幸運なことに、発車時刻の20分も前に第2ターミナル駅に到着、スマホでQRコードをかざすと改札はパッカリ開いて、すんなりとホームに。「チョロい」そう思いました。空港エクスプレスは予定通り、ソウル駅に到着。あとは同じ要領で、KTXに乗り換えるだけですから、安心していました。が…。
ソウル駅に待ち受けていた23分間の危機
KTXの乗り換え改札口で、スマホでQRコードをかざしても、開かないのです。何度やってもダメ。乗り換え時間は14分間。精神状態は ”14分もある” から ”14分しかない” に変わってきました。
改札口の近くで、看板を立てて、懸命に人の流れを整理していた女性の駅員さん(情景を分かりやすくする為にあえて言うと、おばさん)に、「どうしてこのQRは反応しないのか」と聞きました。おばさんは「そのQRはここでは使えない。それは上の方に行かないと入れない」と、手で斜めを指したり、上を指したりするので、とにかく動いてみたのです。焦りが込み上げてきました。しかし、巨大なソウル駅、闇雲に歩いても分かるはずはありません。結局一回りして、またおばさんの前に立つ。「わかりません、出発時間までもう10分もないのです」と訴えるように言うと、おばさんは看板をまるで槍を立てるように地面にギシッと置くと、従いてこいといわんばかりに、早足で歩き出したのです。ノロノロしている僕を見かねたのか、途中で、キャリーバックを腕に抱えて!進んでいきます。エスカレーターの前まで来ると、そこにベトナム人(たぶん)の女性が、英語でおばさんに質問を始めましたが、僕たちは構わず乗り込みました。するとベトナム人の女性も従いてきました。エレベーターが開くと、今度は階段。僕のキャリーバックを抱えたまま飛ぶように駆け上がっていきます。「若いころ、陸上部ですか?」と聞きそうになりながら、僕も汗をかきながら、必死でついていく。そのあとをベトナム人の女性がついてくる。
ようやく階段を登りきると、KTXの改札口に着きました。
ここから乗れといい、おばさんはベトナム人の女性と共に階下に消えていきました。
発車5分前。なんとかなったかと思いきや、ここも改札口。やはりQRコードは使えない。改札口の隣、事務室にいたおばさん2(失礼)に聞くと、T-moneyという交通カードでまずは入りなさいという。それなら持ってるよと、財布から交通カードを取り出して、かざしてみるもなんの反応もない!なぜなんだ(これはいまだにわからないのです)。もう、無理だな。
おばさん2に「無理です…」と伝えると、なんとおばさん2は、そのまま改札口を通りなさいと合図をくれました。こういうところだよね。韓国らしさは。
やっとKTXのホームに入ることができた。しかしもう、予約した列車は出発する頃です。ペジェ大学に、乗れそうもないと連絡。ええ、ええっと、びっくりし、慌てている様子が伝わってきます。
仕方ない、中央口に行き外に出た。なんとこの中央口は改札がない、出入り自由なのだ。そうか、ここから入ればよかったのかといっても後の祭り。仕方ない、チケットを買って次のKTXに乗るかと行列に並ぼうとしたその時、ペジェ大学校から連絡が。「13時57分発を予約しますので、ホームに向かってください」と。改札のない中央口に戻り、足早にホームを駆け降りました。乱れた呼吸で、KTXの前に立つ。13時56分、LINEにチケットが送られてきたことを確認し、滑り込み乗車!
ソウル駅の23分間 G.C 大ピンチの巻でした。ふ〜〜〜。
ペジェ大学校に到着!
ペジェ大学校総長室には、10分遅れの15時40分に到着しました。キム総長に、就任のご挨拶と記念品の武雄焼をお渡しできました。
翌日には、本学から長期留学をしている井上凜々華さんに会い、充実した大学生活の様子も聞くことができました。8月には一旦帰国し、就職も決まったそうです。おめでとう!
ペジェ大学校に滞在中には、特別講義をやったり、これからのペジェ大学校と佐賀女子短期大学、そして将来の武雄アジア大学との交流についても、国際処の皆さんとたくさんお話ができました。あらためて、ペジェ大学校の皆さんのおもてなしの行動力には、感嘆することしきりでした。
ソウル駅の二人のおばさん、そして、ペジェ大学校のスタッフのみなさん、カムサハムニダ!!
どんなピンチにも救いの女神はいるのだ。