学長なんでもノート

自分自身のドローンを飛ばそう!

 みなさんは独り言、いいますか?

 僕は子供の頃からよくいうほうでしたし、今でもそうかも知れません。独りでいるときは、まあいいのですが、まわりに人がいるときに無意識にいってしまうと、気味悪がられたり迷惑になったりすることもあるので意識が必要です。でも僕は、いまも電車の中なんかで考えに夢中になっていて、つい声を出してしまうことはあります。そんな時は、やはり恥ずかし〜い。今はマスクを着用しているので聞き取られにくいとは思いますが。気をつけないといけません。ホント。

 独り言は、心理学的には、いい面心配な面、さまざま見方はあるようなのですが、今回はいい面の話です。

 独り言は、自分の中にいる「もうひとりの自分」との対話が、ポロッと外に出てしまう、ということなのかなと思うわけです。

 そういえば、映画やドラマに出てくる刑事や探偵、科学者は、よく独り言を大きな声で言ってますね?

「う〜ん、これはどういうことだ、どうしてこうなった?」

「いや待てよ、そんなはずはないぞ」

「あ〜そうか、わかったぞ!」

 みたいにね。

 事件や難問に対して、頭を全力でフル回転させている。そんなとき、自分の中の自分との対話がつい口をついて出てしまうのですね。

 自分の中の自分・・・それは自分の中の他人であり、あなたの相棒です。

 わたしたち人間の思考は、すべて自分との無意識の対話とも言えるでしょう。

 ひとりで考えている時間はとても大切なのです。これでいのかな、もっとないのかなと考え続けることが、工夫や創造の土台になりますよ。だから、なんだか孤独だなあという夜は、実は、あなたの考えを豊かに耕す、もっとも自由な時間なのかも知れません。

 僕は入学式で、「迷ったとき、壁に突き当たったときは、自分自身のドローンを飛ばしてみよう」とお話しました。鳥のように高いところ、遠いところから、自分を見てみる、そう、これは自分との対話と同じ意味です。その対話をうんと視覚化して、自分の行動を動画にするようなイメージなんです。野球やサッカーのようなスポーツ中継が好きな人は、自分の行動の実況中継をしているようなイメージと考えてもいいかも知れません。

 自分から目を離さない、自分を見守る。

「さあ、ここでわたしはどうするでしょ〜」と思いながら、自分を落ち着いて観察していれば、自分の弱さ、得意なことがわかってきて、学びたいテーマややりたいことが発見できると思いますよ。

 これを気取っていうと、「メタ認知」というらしい。ま、知らんけど。

 この間、今年4月から本学で働き出した卒業生と話していたのです。大学に入学したときに、大好きだったプロ野球チームのチアリーディングのオーディションを受けることをためらってしまった、その後悔をずっと持ち続けていたというのです。そして、彼女は保育を専攻して卒業、念願の幼稚園の先生になりました。0歳児を受け持ち5歳児まで担当したときに、なんとスパッと幼稚園を辞めます。そして、韓国へ旅立ち、1年留学するのです。大学在学中に韓国での短期セミナーに参加していたことがきっかけです。そして帰国後、母校の大学で、いまは職員という新しい仕事に挑戦している。

 「もう後悔はしたくなかった。やりたいことはやってみることにした。留学もそうだし、大学での仕事にも興味があったし。それに保育園でもまた働ける」と彼女は語ってくれました。大学2年間で習得し、現場の仕事として磨き上げた教育スキルを母港にして、次々と新しい旅を続けている。

 なんて素敵なんだろう。

 彼女はいいドローンを持っていますね。

 それにしても、本学の「全コース×韓国留学」というユニークな学習環境、なかなかやります。

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