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学長なんでもノート

ブレイン・ワークアウト 自分の脳を鍛える 今村書店

一気に秋になりましたね。学生のみなさんの中にも、これからの3ヶ月、いろいろ「勝負」がかかっていたりする局面を迎える人が多いんだろうな…と思います。

ところで僕は、先週、佐賀→タイ→東京→新潟→佐賀と、不思議な行程で出張していました。タイのランシット大学には、僕が学長就任前からアドバイザーを務めている京都橘大学関係の用件で訪問したのですが、いうまでもなくサジョタンとは関係の深い大学です。

タイ・ランシット大学 再訪

今年の5月に15名のランシット大学の学生が佐賀に来て、8月にはサジョタンの学生6名がタイに行き、語学学習と交流活動を行いました。

5月に佐賀へ来ました!
10月に佐賀へ行きます!

教養学部長のピヤソダ・マワイさんが、「今年5月訪問した学生は佐賀のことを忘れていません。まるで大使のようです。今でも佐賀の素晴らしさを語り、ホストファミリーやサジョタンの学生と連絡を取り合っています。8月に受け入れた学生も一生懸命学んでいましたよ」と話しておられました。そして、大学の心遣いにより、5月に佐賀に来た学生とこの10月23日から佐賀に来る学生、合わせて30人と対面することができました。みんな笑顔、懐かしさと期待。

ランシット大学との交流を、始めて本当に良かったなって思いました。

この本がすごい!!

さて、今回の「超・推し本」です。安川新一郎さんの『BRAIN WORKOUT 人工知能(AI)と共存するための人間知性(HI)の鍛え方』です。今年度、僕が学生やオープンキャンパスでお話しするとき、必ず話題にしているのが、AIです。「AIとどう付き合うか」について学び、考えを巡らすことは、みなさんにとって今後の人生を左右するものだと思うからです。現代に登場してしまったAIは、我々ホモ・サピエンス20万年の歴史の中で、最大の変化を仕事や暮らし、社会のあり方にまでもたらします。この本は、AIが人間から仕事を奪い、やがては人間を隷属させる脅威の怪物としてではなく、人間がもっと人間らしく豊かに生きるために、例えば「ドラえもんみたいに頼りになる友達のような存在」として捉えるために、どんなことが必要なのか、をびっくりするほど分かりやすく書いてくれています。

AIと脳は使いよう

まずこの本の冒頭に、知能と知性との違いが書いてあります。

知能とは、明白な答えがある問いに対して、素早く適切な答えを導く能力。

知性とは、明確な答えがない問いに対して、その答えを探究する能力。

そういう意味において、知能は、AIに人間は勝てない。しかし、AIはその答えの「意味」を理解していないのです。僕もよく例にあげますが、AIは焼きそばの作り方は答えられるけど、香ばしいソースの匂いには何にも感じません。なぜ恋をすると胸が苦しくなったりするのかについて説明はできるけど、恋の「意味」は理解していません。

この本は知能と知性の理解、そして人間の脳の仕組み、働き、そして人類史の中でどう進化してきたのかを、これまた分かりやすく解説してくれたうえで、人間知性(HI)をどう鍛えるのかという課題に挑んでいくのです。人間の脳を①運動モード、②睡眠モード、③瞑想、④対話モード、⑤読書モード、⑥デジタルモードに分けて、頼れる武器にするための考え方、トレーニングを伝授してくれます。

僕は、休日の日に一気に読んでしまいました。面白いところ、気になる文章、心にのこる表現に出会うと、僕はいつも本のページの角を折り込んでしまうのですが、(ドッグイヤー・犬の耳と言うようです)今回は折り込みだらけになりました。図書館に置きますので、とにかく手に取って、パラパラでもいいので読んでみてください。

ちなみに折り込んだページから、文章を紹介します。

「私達は、同じ情報ならアナログ(紙媒体)からでもデジタル(ネット)からでも、取得することには変わらないと思いがちです。…デジタルとアナログでは私たちの脳の作用の仕方が異なります。同じニュースでも、新聞で読むか、テレビのニュースで知るか、ウエブニュースを広告がチラつく中でスマホで読むのかで、印象も内容の理解も実は変わってきます。そして、印象や理解が変われば、私たちの思考や判断も変わってきます。」

読書とデジタルも使い方なんです。特に、子どもの頃から若いうちに読書の習慣付けをするのは、とても大事ということが、脳のことからも分かります。

「共生社会」もAIを道連れに

第8回SPIRA日本語スピーチコンテスト・成人の部で、審査員特別賞を受賞した本大学のトゥザー チョさん、おめでとうございます!

「皆が望んでいる共生社会」と題したスピーチ、前山先生に送ってもらって、知ることができました。ミャンマーから未知の国 日本に留学し、大学で学び、障がい者施設でアルバイト体験によって、聴くものの心に響くスピーチになりました。タイの学生との友情と交流も「共生社会」を考えるヒントになりますね。

「共生社会」は、人類の歴史においては、まだまだ新しいテーマです。

自分に問うこと、対話によって問いかけあうこと、そしてAIも、きっと問いかけられるのを待っている。

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