先週は楽しいことがたくさんありました。
まずは、4月23日。コロナウイルス感染拡大で2年間できなかったスポーツ大会が開催できたこと。1年生はもちろんですが、2年生にとってもはじめてのイベントでした。感染防止を強く意識しながらの短縮版でしたが、学生も教職員も笑顔が弾けていました。
実行委員の学生のみなさん、ホントにご苦労様でした。
今年は2年間できなかったことが段々復活しそうですね。
つぎは、4月19日。「SAJOTAN TALK Series Vol.1」ということで、フジテレビ解説委員鈴木款まこと さんをお迎えして、英語について僕とのトークイベントを行いました。どうしたら英語が身につくかというお話も面白かったのですが、報道という仕事だけでなく、多種多様な本を出版し、サハラ砂漠マラソン、サックスの演奏、落語、50歳を超えての大学院入学など絶えず挑戦し続ける生き方は参加した学生に強い印象を残したのではないかな。
そしてもうひとつは、4月20日。本学の将来構想をつくる「SAJO FUTURE 2030」プロジェクトが動き始めました。学びと対話をたくさん山盛り、活発にして、もっともっと素晴らしい大学に成長進化するための構想準備です。まずは教職員から取り組みを始めました。今後は、学生のみなさんの意見にもしっかり耳を傾ける場もつくっていきます。
さて、今村書店です。月に一度はおすすめの本を紹介して、その本は学生のみなさんがすぐに手に取れるように図書館に置いてもらうことにしたのです。
その記念すべき最初の本は、『戦争は女の顔をしていない』という小梅けいとのコミックです。
この作品には原作があるのです。ノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチというベラルーシの女性ジャーナリストが1985年に出版した本です(日本語訳は岩波現代文庫)。
アレクシエーヴィチの本『戦争は女の顔をしていない』は、第2次世界大戦に従軍した女性500人におこなったインタビューをまとめたものです。でも、それを日本人が漫画にしてしまうというのはものすごいことだなと思います。
このコミックはあれこれ考えずにまず、手にとって読み進めていくのがいいと思います。わからなくても振り返らずに前へ前へと。
みなさんにとっては、おそらくわからないことだらけでしょう。それは無理もないことです。あまりに遠い過去の今は存在しない国のことだから。
まあ、これだけは頭に入れて読み始めましょう。
ソビエト連邦。
今のウクライナ、ロシアなど今は15の国に分かれていますがそれらを抱合する巨大な社会主義国家が1917年から1991年までは存在していました。
「独ソ戦」。
1941年ナチス・ドイツがソ連邦に攻め入ることから始まったドイツとソ連の戦争で、両国でなんと約4000万人!!の死者が出ている。世界で最も悲惨な戦争といわれています。
女性たちの志願従軍。
女性たちはどうして戦場をめざしたのか。
ソ連では第2次世界大戦で100万人超える女性が従軍しました。看護婦や医師、洗濯や裁縫だけでなく、狙撃兵など兵士として戦った女性もいたのです。多くの女性が亡くなりました。
ただ、本を通して女性たちの声を聴くことです。
戦争になったら、自分や家族や故郷はどうなっていくのだろう?
壮絶な戦場にいた女性たちの言葉は、きっと心に響いてくるものがあるでしょう。
僕にはこんな言葉が心に残りました。
「伝えなければいけない。世界のどこかにあたしたちの悲鳴が残されなければ、あたしたちの泣き叫ぶ声が」
「焼け焦げたつなぎや焼け焦げた腕や顔を見た時・・・驚くべきことだけど・・・私は涙をなくしてしまった・・・涙という女の大切なものを・・」
この本の最初の証言は洗濯部隊の女性で、場所はなんとウクライナのキエフ(キーウ)です。
おびただしい死傷者を出した戦争から80年・・再びウクライナが戦場になっている。
なんということだろう。
そして今度も戦争を始めたのは、男だ